47段の階段を見上げると、彼女たちは恥ずかしそうに私を出迎えてくれていた。
(この47段というのは、全国からやってくる学生さんたちを象徴しているという)
学生さんたちに連れられて、教授室に行くと、水元先生がニコニコと穏やかな笑顔を見せてくれた。
先生の後ろには「Papa」と書かれた、学生さんが作ったたくさんの先生のグッズ。
人気と人柄がすぐにわかった。
(先生は「もうグランパだよ」と笑っていた)
ある出版社のつてで紹介されたのですが、もともと教師になりたかった私はこのプロジェクトに惹かれ、微力ながらお手伝いをさせていただいた。
この、「八王子ショウガを使った商品開発事業」というのは、3人の学生さんが中心となって行ったプロジェクトで、「街おこしをしたい」という思いと、「本来なら捨てられてしまう八王子ショウガの古根を再利用したい」というアイディアから「ショウガからエッセンシャルオイルを抽出し、バスソルトを作る」ことを目指したそうだ。
ところが!!
ショウガオイルを抽出するのに、たくさんのショウガを使ってもごく少量のオイルしか抽出できず、その副産物としてできるフローラルウォーターを活用することにシフトチェンジ。
フローラルウォーターを使用したバスボム作りを始めた。
※ ショウガを擦った後の残るすりおろし器。バスボムを作るために使った、たくさんの型とボウル。
努力の跡が見え隠れ…なんだか感動した
※ 海外から輸入したという、蒸留装置。
生姜をきれいに磨くように洗い、フードプロセッサーで細かくし、蒸留装置に入れるのだが、2キロのショウガから1500mlのフローラルウォーターを抽出するのに2-3時間かかるという…!!
※ できあがったバスボムは、大学祭や八王子イチョウ祭りで販売された
実際のフローラルウォーターをかいでみると、柑橘系の香りを感じるような、とても爽やかでおいしそうなショウガの香りがした(ほんとうにゴクゴクとのみたいくらいに)。
ショウガには発汗効果もあり、バスボムと組み合わせることで、「まるで温泉に入った後のようだった」、「お肌がすべすべになった」という声もあったようだ。
また、このプロジェクトの成果報告会では、農協さんから高い評価をいただいたらしい。
卒業とともに彼女たちのプロジェクトはいったん終わったが、これからも次の世代の学生が展開し研究を進めていくという。
エッセンシャルオイルを抽出できなかった挫折
それだけではない、作ったことがある方は分かると思うが、バスボムは湿度によって崩れてしまったり、なかなかデリケートなものなのだ!
せっかく整形しても壊れてしまったり、本当に大変な思いをして試行錯誤で製作したそうだ。
私がお手伝いをしたのは、バスボムの作り方、シュリンクフィルムの使い方を動画で撮ったのと、時々メールで質疑応答をしただけだったので、「もっと手助けしていれば、同時進行で行われていたという、ほかのプロジェクトのほうに時間をかけられたかもしれない。
もっと何かできたのでは」と後悔したが、彼女たちの試行錯誤で乗り越えたこの成功は、これから社会で活躍するとき、いつか家庭を持った時、必ず役に立つことになると強く思う。
そして最後に学食ランチ♪
私がいただいたのは手前の白身魚フライ。480円!!とっても良心的!!(ちなみに唐揚げも480円!)
私も大学生に戻った気分で楽しくトーク。
これから短大を卒業し、4年大に編入するかたや就職するかた。
進む道は分かれていくけれど、一緒に苦労をしたことは人生の宝になると思う。
おばさんになっても、おばあちゃんになっても、「あんなこともあったわね~、楽しかったわね~」なんて思い出すんだろうなと思った。
そして私も時々このことを思い出すと思う。私もがんばろう。
このプロジェクトをお手伝いさせていただき、ありがとうございました。
これからもがんばってください!!
※ 校内にいくつか偉人の銅像が建てられていて、この人はなんかインドの詩人、タゴールだそうです。そのほかキュリー像など、偉人の像が建てられているそうです。
バスボム作りに興味のある方はこちら!
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